
社長はこう言います。
「何度も説明している」
社員はこう言います。
「聞いていない」
社長はこう言います。
「会社のためを思って決めた」
社員はこう言います。
「現場のことを分かっていない」
どちらかが嘘をついているわけではありません。
どちらも本気でそう思っています。
それでも話が噛み合わないことがあります。
なぜでしょうか。
私は、その理由の一つに「見ている景色の違い」があると思っています。
社長は会社全体を見ています。
売上。
利益。
資金繰り。
採用。
取引先。
将来の投資。
会社を存続させるために、多くのことを同時に考えています。
一方で社員は、自分の担当業務や職場環境を中心に会社を見ています。
日々の仕事。
上司との関係。
評価。
働きやすさ。
目の前の現実です。
どちらも間違いではありません。
見ている場所が違うだけです。
しかし、この違いを理解しないまま話をすると、組織の中で少しずつズレが生まれます。
社長は説明したつもりになる。
社員は納得していない。
社長は理解してもらえたと思う。
社員は不満を抱えたままになる。
そして気付かないうちに、
「なぜ分かってくれないのか」
という思いが双方に積み重なっていきます。
組織の問題は、能力の問題ではないことがあります。
意見の違いでもないことがあります。
見ている景色の違いであることも少なくありません。
だからこそ、社長は社員に説明するだけではなく、社員が何を見ているのかを知る必要があります。同じように社員も、社長がどのような視点で判断しているのかを知る必要があります。
強い組織とは、全員が同じ考えを持つ組織ではありません。
見ている景色の違いを理解しながら、同じ方向を向ける組織です。
あなたの会社では、社長と社員は同じ会社を見ているでしょうか。
それとも、まったく違う会社を見ているでしょうか。

