
「うちの一番のお得意様です。」
そう聞くと、どんな会社を思い浮かべるでしょうか。
おそらく、多くの人が「一番売上の大きい取引先」を思い浮かべると思います。
毎月、大きな注文をくれる。
長年取引している。
営業担当者も大切にしている。
確かに、重要なお客様です。
しかし、ここで一つ確認してみたいことがあります。
そのお客様、本当に儲かっていますか。
例えば、年間3,000万円を買ってくれる取引先があるとします。
ところが、
値引き要求が厳しい。
小ロットの注文が多い。
急な納期変更がある。
特別仕様への対応も多い。
営業担当者が頻繁に訪問している。
支払いサイトも長い。
それでも、売上だけを見れば「大口顧客」です。
では、こうした対応に使っている人件費や物流費、管理コストまで含めたらどうでしょう。
年間500万円しか売上のない別のお客様の方が、会社に利益を残している。
そんなことも十分にあり得ます。
売上の大きさと、会社への貢献の大きさは同じではありません。
ところが、売上だけでお客様を見ていると、この違いが見えなくなります。
「大口顧客だから。」
「昔からのお客様だから。」
「売上が減ると困るから。」
そうして特別対応を重ねているうちに、忙しいのに利益が残らない会社になっていきます。
もちろん、利益だけでお客様を選べばよいという話ではありません。
将来大きく成長するかもしれない。
新しい市場への入口になるかもしれない。
他のお客様を紹介してくれるかもしれない。
そうした価値も含めて考える必要があります。
大切なのは、
「売上はいくらか」だけで、お客様の価値を判断しないことです。
誰に売るか。
どんな条件で売るか。
どこまで対応するか。
これも、社長が決める重要な経営判断です。
売上を増やすことばかり考えていると、見えなくなるものがあります。
会社に必要なのは、「売上の大きいお客様」ではなく、「会社に価値をもたらしてくれるお客様」です。
あなたの会社の「一番のお得意様」は、本当に一番会社に貢献してくれているでしょうか。

